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日本細見紀行 

日本各地の旅日記
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1日目-2 2017年7月23日 三筋山 稲取 伊東

風車の下、三筋山遊歩道を歩いた

 広場の手前で聞こえていた人工音は風力発電の風車の回る音だった。伊豆の山に停滞していた空気を風車がかき混ぜていた。

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 山の尾根には風車が並んでいた。風力発電は大規模に行えば発電コストを火力並みに引き上げることができるが、風力適地の北海道、東北で十分な調整力があるとはいえない。蓄電池の活用がより必要になってくる。つまりベースロード電源とはならない。

 経済産業省自然エネルギー庁が再生可能エネルギーの旗振り役であるが、建設費や発電量比較というリアルな数字が示されていない。

 この日私が伊豆の山のなかで見たのは、開発のために投下された膨大な資金である。それは低成長時代にふさわしい、新しい投資のかたちだった。風車建設のためのアスファルトの道路が山を切り開いて走っていた。ダムを1基造るため山を切り開く過程のすさまじさを見たことがある。原発の周辺の道路の多くが、対向車のない滑走路のような道路であることを知っている。風力発電開発はそれと何ら変わらなかった。再生可能エネルギーという新ブランドの開発は旧態依然としたダム建設の現場と同じだった。両者ともに自然を破壊することによって成り立つものだ。

 風力発電のためにできたアスファルトの道路を歩いた。グーグルマップには存在しない道路である。それは三筋山遊歩道とほぼ同一のコースを辿っているようだ。

 そしてこの風力発電の道路の開通により、三筋山遊歩道の一部は消滅させられていた。アスファルトの道のところどころには赤色に塗られた歩道らしきものがあった。どうやらそれが消滅した林道の代替品である。

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 アスファルトの道路を延々歩くのなら、広場にいた人の言葉に甘え、稲取まで車に乗せてもらったほうがよかった。

 三筋山までは思った以上に遠かった。蛇行した下り坂を歩いた。

 そして上り坂である。途中に三筋山の案内板があった。三筋山遊歩道の一部は残っているようだ。遊歩道に入ってみた。

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 遊歩道の途中の山の上のほうにベンチが置かれた広場があった。鹿が10頭ほどいたが、写真を撮ろうとしたらあっという間に散ってしまった。

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 鹿の糞がところどころにあった。糞を食べるためカナブンが集まっていた。

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 すでに雨は止んでいた。レインウェアを脱いだ。薄黒色の空は随分明るくなっていた。青スズ台休憩所で見たときより、見晴らしはよくなっていた。眼下のゴルフ場のコースは森をえぐっていた、バンカーのように。

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 下り坂の三筋山遊歩道を抜け、風力発電のアスファルト道路に出た。

 そしてまた上り坂。アップダウンは本当に嫌である。足が重い。頑張って歩いてきたというのに、三筋山の頂上には行けなかった。風車と風力発電の道路により三筋山の山頂はふさがれていた。

 工事関係者の詰めているプレハブの事務所があった。この事務所を中心に風車のメンテナンスなどを行っているのだろう。風車のうちの1基にはクレーンが立て掛けられていた。

 風力発電のアスファルト道路は大きく迂回しているようだ。グーグルマップに点線で表示されている三筋山遊歩道は尾根を往く林道らしく、稲取まで直線で下りていくようなのだが、アスファルトの道路を歩いた場合はおそらく1.5~2倍程度の距離を歩くことになりそうである。

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 遠くに稲取の町が見えていた。

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 三筋山山頂の脇を過ぎたところに「大池2.4km」という表示があった。コピーしてきた簡易な地図にもグーグルマップにも「大池」という地名(あるいは池名)の表記はなかった。大池に向かう林道に入っていいのかどうかを迷った。稲取の方向に向かう林道である気がするが、異なるコースであるようにも思う。

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 冒険を避け、つまらないアスファルト道路を歩くことにした。

 アスファルト道路が山を下っていることは確かである。しかし方角は一定しない。東南の方角つまり海のほうに歩くのが近道なのだが、道路は北、東、西などと方角を変えた。迂回を重ねながらつまり長い距離を歩きながら稲取をめざすようなのだ。

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 疲労が蓄積している。足が棒になっている。広場で遇った人に車に乗せてもらわなかったことを何度も後悔した。「大池2.4km」の方向に歩いたほうがよかったかもしれないとも思った。


「天城路はすべて山のなかである」を脱出!

 グーグルマップに表示されている道路の近くまで来たとき、1台の車が通過した。反対車線を走る車を2、3台見たが、私の歩く方向に走っていく初めての車である。乗せてほしいという合図を送ったが、車は走り去った。

 1分後に通った2台目の車が止まってくれた。工事関係者が4人乗っていた。後部座席に乗せてもらった。気のいいあんちゃんたちだった。

 少し走ったところで、さっき通過した1台目の車が道路を封鎖していたチェーンを外していた。先発した1台目は道路のチェーンを外すための車のようで、私を乗せてくれた2台目は、工事関係者たちが食事に行くための車だった。

 どこまで行きますか?
 この道路は通行禁止になっているんです
 この道路はナビでは表示されません
 ここを歩いている人はいません
 (私が)道に迷ったと思っていました(工事関係事務所のなかから私は目撃されていた)
 鹿を見ましたか? 熊もいるんですよ
 三筋山遊歩道はつぶされているかもしれません(遊歩道の一部はもうない)
 風車の建設自体はほとんど終わっています

 そんなことを聞きながら、6、7kmほど走ってくれた。東伊豆を海岸線に沿って走る国道135号に突き当たったところで下ろしてもらった。このサポートがなければどうなっていたのかわからない。旅で30km近くを歩いたことがあったが、今日の歩きがもっともきつかった。

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 車を下りるとき、工事関係者たちは「近くにあるコンビニでゆっくりしていってください」と声を掛けてくれた。国道135号を北に200mほど歩いたところのサークルKがあった。イートインスペースで一息ついた。

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 サークルKから伊豆稲取駅まで2.5kmほどであった。バス路線は1日数本の便しかなかった。歩くしかなかった。

 標高1,173mの八丁池付近は涼しかったが、地上は暑かった。歩いているだけで汗が噴き出てきた。

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 国道135号はうねうねと方向を変えながら稲取に向かっている。伊豆稲取駅までの最短コースを歩きたい。ショートカットするため途中から住宅地に入った。

 山の上ほどではないけれど、歩いた住宅地には激しいアップダウンがあった。

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 足を引きずりながらようやく伊豆稲取駅に着いた。サークルKから40分ほどかかった。

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 出発前、時間があれば稲取を歩きたいと思っていたが、それはとてつもなく甘い考えだった。車に乗せてもらい6、7kmを短縮できたにもかかわらず、伊豆稲取駅にたどり着くだけで足が棒になっていた。しばらくの間、駅のベンチに座り込んでいた。

 稲取はひなびた感じのする町である。東伊豆で大きなホテルに泊まりたければ熱川、民宿に泊まりたければ稲取がいいだろう。東伊豆で私がもっとも好きな町でもある。

 「つげ義春の似合う町」と書いておこう。

 下の6枚は2011年5月30日の稲取。

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 下の4枚は2005年3月20日の稲取。

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伊東へ

 伊豆稲取駅から伊東に向かうことにした。乗った電車は特急「リゾート21」だった。普通列車として運用されていた。伊豆急ではよくあることである。

 伊豆急電鉄伊豆急線 伊豆稲取 17:22発 → 伊東 18:12着

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 途中の伊豆高原駅構内に「THE ROYAL EXPRESS」が止まっていた。

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 2017年7月21日、横浜駅と伊豆急下田駅間で走り始めた観光列車である。マスコミ報道ではあたかも、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS瑞風」やJR東日本の「TRAIN SUITE四季島」と同列の豪華列車であるかのような扱いをしていたが、それは誤報といっていいかもしれない。少なくとも違和感が残る報道だった。

 車両は「リゾート21」の改造車である。加えてJR東日本と伊豆急行の運行ではなく、伊豆急行と東急電鉄による運行で、走行区間は東京駅・下田駅間ではなく、横浜駅・下田駅間である。東横線と乗り入れ3路線(東京メトロ南北線、西武鉄道池袋線、東武鉄道東上線)に、横浜駅での専用接続列車を走らせ、横浜駅での乗り換えを強調するのなら理解できるが、あらゆる面において中途半端な企画列車である。JR東日本にすれば、東京駅と下田駅を結ぶリゾート21の「筋」上の、しかも列車が過密でない通勤時間帯以外の、横浜駅以西に1本の列車を組み込んだに過ぎない。

 伊東駅で下車した。JR東日本と伊豆急行の駅である。駅舎も駅前の雰囲気も変わっていなかった。

 駅の近くの地魚料理「入船」で天ぷら定食を食べた。あいかわらず伊東の物価を高いと感じた。

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 蜻蛉荘は駅から7分くらいであるが、伊東の町のなかではなく山側にある。急峻な坂を上ってようやくたどり着いた部屋からの眺めはよかった。陽はまだ沈んでいなかったが、夜の伊東を歩く力は残っていなかった。坂の上り下りを足が拒絶していた。

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