FC2ブログ

日本細見紀行 

日本各地の旅日記
2019年04月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2019年06月
TOP ≫ CATEGORY ≫ 東北本線
CATEGORY ≫ 東北本線
      

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | Comments(-) | Trackbacks(-)

気象庁「大雨特別警報」。青春18きっぷで救済タクシーに乗った!

7日目 2015年9月10日  宮古 東北本線

 今日中には帰らないといけない。期限の最終日に青春18きっぷを使用するのは今日が始めてである。1日に乗る距離は今日が一番長い。路線検索で、宮古・横浜間の距離は666.2kmと出た。

 JR山田線の、宮古から盛岡までの列車本数は1日4本である。今日中に家に着くための列車は2本しかない。

 宮古5:07発  横浜19:42着
 宮古9:34発  横浜22:57着

 宮古を9:34に発車する列車に乗るつもりでいたが、栃木県に「大雨特別警報」が出たことを昨夜遅く知った。「経験したことのない豪雨」という文言が使われていた。列車が遅れることを想定しないといけない。9:34発の列車に乗った場合、家にたどり着けるかどうかわからない。

 4:00過ぎに起き、5:07発の列車に乗った。

P9100001.jpg

 暗闇と眠りのなか、宮古駅を出た気動車は盛岡に向けて走った。曇天による暗さなのか、まだ夜が明けていないかの判別がつかないなかを列車は走っていた。雨滴が窓に貼り付いたまま流れない。

 JR山田線、国道106号、川は並走している。ともに盛岡をめざすのだろうと思ったが、途中で川は消えた。北上山地の分水嶺から太平洋に流れていた川だったのだろう。

 途中で別の川が現れた。上米内駅で高校生が20人ほど乗ってきた。盛岡への通学圏に入った合図だった。

 窓の上のほうにある雲の一角がわずかに開いた。ぎざぎざのある小さな四角形は薄い青に塗られていた。雲は厚くない。鱗雲のようでもあった。山岸駅のホームにはコスモスが咲いていた。

P9100002.jpg

 盛岡駅のホームにIGRいわて銀河鉄道の電車が止まっていた。IGRいわて銀河鉄道の線路の先には青い森鉄道がある。

P9100009.jpg

 新幹線をどれほど多くの人が欲しているかは北陸新幹線開業時の金沢市民の喜びようがそれを証明した。しかし北陸新幹線の、新潟県西部での湾曲したルートは、関西から新潟以北の東北には行くなと言っているようなものである。日本海縦貫線ともいわれた、日本海に沿った美しい車窓の鉄路は今どのような運用形態になっているのだろう。関西人にとって日本海は新潟県西部で消滅してしまった。2つの新幹線が乗り入れることになった新潟はそれぞれの地域が別々の新幹線で東京と結びつくことになった。関西から富山に行く人は当分、金沢で乗り替えをしなくてはならない。サンダーバードは富山のものでなくなった。

 そういうことをほとんど報道せず、金沢のグルメばかりを扱っているマスコミは気楽なものである。IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道にはもうちょっと時間を割いてもいいはずだ。

 それにしても下の6つの第三セクター鉄道の名称を全部知っていて、正しく書ける人はどれぐらいいるのだろう?
 
 IRいしかわ鉄道
 あいの風とやま鉄道
 IGRいわて銀河鉄道
 青い森鉄道
 肥薩おれんじ鉄道
 しなの鉄道

 正しく書けるというのは、「いしかわ」を漢字で書いては駄目という意味である。「おれんじ」を片仮名で書くのはまちがいで、「あいの風とやま鉄道」はフルネームで漢字・平仮名を適切に使い分けないといけない。「あい」と「とやま」は平仮名である。

 それは、米子鬼太郎空港、出雲縁結び空港、コウノトリ但馬空港なども同じである。誰がその名称を正しく知っていよう。「コウノトリ」は片仮名である。ちなみに但馬空港は兵庫県豊岡市にある。ざっくり分けると、京都府中部は「丹波(たんば)」であり、兵庫県北部が「但馬(たんば)」である。しかし丹波市は兵庫県にあり、但馬空港のある豊岡市は丹波市からそう遠くない。このようなねじ曲がったところは実に日本的である。ちなみに京都府北部は丹後である。

 私は最近のネーミングを嫌いである。特に東北新幹線と北陸新幹線で誕生した4つの第三セクターの鉄道名にはあきれていて、できることなら改名してほしいと思っていたら、北海道新幹線で誕生する新しい第三セクター鉄道は「道南いさりび鉄道」である。まったく。

 盛岡駅の外に出てみた。盛岡は4年半ぶりであるが、今日、町を歩く時間はない。目的は1つ「おうちに帰ろう」。

P9100005.jpg

P9100006.jpg

 東北本線を乗り続けなければいけない。東北本線はもはや本線ではない。幹線でもない。首都圏と仙台圏を除くと、あとは完全なローカル線である。没落した名門に老兵はいないが、新兵が律儀に地元民輸送に励んでいる。短い編成の都会的なロングシートの電車が淡々と仕事をこなしている。

 盛岡7:55発の北上行きには乗らないで次発の一ノ関行きに乗ったのは、一ノ関への到達時刻が同じだからである。

 盛岡8:09発  一ノ関 9:41着

 天気は回復しなかったが、東北の涼しさには秋の匂いがした。黄色が濃くなっていく田園風景を行くのは初秋の東北の旅の楽しみだ。

P9100012.jpg

P9100015.jpg

P9100018.jpg

P9100025.jpg

 一ノ関 9:45発  小牛田 10:31着

P9100030.jpg

 小牛田10:36発  仙台 11:24着
 仙台 11:35発  白石 12:23着

 白石での待ち時間は29分ある。駅前のコンビニで豚丼を買った。あまりうまくない、十勝の豚丼と似つかわしくない豚丼を駅の待合室で食べた。

P9100036.jpg

P9100033.jpg

 白石を発車する電車に乗り込んだとき、車内放送があった。

 この電車は雨の影響のため大幅な遅れが予想されます
 現在、藤田駅までの運転が予定されています

 藤田は白石から3つ先の駅である。♪Ooohきっと来る~♪「大雨特別警報」は福島県でやってきた。藤田から先は運転されるかどうかわからない。こうなると、青春18きっぷは課せられた制約になってくる。しかしこのまま乗り続けるしかない。

 2007年1月。会津地方に爆弾低気圧の天気予報が出たときを選んで、真冬のJR只見線に乗りに行ったことがあった。前日JRに電話をして只見線が運休になっていないことを確認した上で出かけた。途中で運休するのはかまわないが、始発から動かないのは困るからだ。上越線の小出駅から只見線は動き、何事もなく会津若松駅に着いた。爆弾低気圧が襲い掛かったのは、乗り継いだ磐越西線の車内である。夜になっていた。途中、駅でないところで2度止まった。列車はしんしんと降る雪のなかにいた。列車の灯が外の雪景色を照らしていた。車内ではみな、しんとしていた。そのあと列車はゆるゆると動き出し、かなり遅れて郡山にたどり着いた。郡山のビジネスホテルの部屋でごうごうと吹く風の音を聞きながら眠った。


 遅れて動き出した電車は3つ先の藤田駅まで行くことはできなかった。1つ先の越河(こすごう)駅で止まってしまった。外は大雨になっていた。

 運転士の車内放送があった。豪雨でこれ以上進むことができないという内容だった。運転席から出てきた運転士に誰かが質問した。回答は次の通りだった。

 線路が浸水状態で停止信号が出ている
 社員が線路状況を確認したあとでないと電車を動かせない
 時間はかかる

 運転士は2両編成の車内を巡回し、乗客一人一人の行き先を書き留めていった。青春18きっぷで乗っている人が私の近くに2人いた。そのうちの1人は大宮まで行くと言っていた。

 運転席にもどった運転士は、乗客数と行き先を連絡したはずである。ネットで調べてみると、福島の各駅はJR仙台支社の管轄内に入っていた。連絡先は仙台駅か福島駅か、隣の白石駅だろう。

 もう1両のほうに行ってみた。乗客は2両合わせて27人いた。電車はロングシートの車両だった。長期戦を覚悟した人たちが早くもロングシートに寝そべり始めた。おそらく全員、寝そべることができるだろう。

P9100038.jpg

 中年女性が新幹線への乗り替えについて尋ねた。運転士は、白石蔵王駅から新幹線で東京に行くことはできると説明していた。2両目からやってきた別の中年女性は、自分の事情を話し始めた。それはクレームに近いものだった。語気が強い金切り声は1両目の車内に響き渡った。

 運転士が2人目の中年女性に対処しているとき、郡山に行く予定だった学生が行き先の変更をして、電車を降りていった。そのあと、2人の中年女性はいっしょに白石蔵王駅までタクシーで行くということで車内を出た。タクシー料金をJRでは負担できないこと、無人駅である越河駅前でタクシーが客待ちをしているかどうかわからないことを運転士が説明していた。

 3人が電車を去り、乗客は24人になった。

 電車が停車してから30分後、車内放送があった。

 白石から救援タクシーが向かっています
 福島までタクシーで行けます

 すばらしい。乗客が27(24)人しかいなかったからできた対応であるとはいえ、迅速である。

P9100039.jpg

 13:50頃、やってきた9人乗りのジャンボタクシーに乗った。列車を出るとき、運転士に質問してみた。

 福島から南に行く列車は動いていますか?
 動いているようです

 青春18きっぷでタクシーに乗ったのは2回目である。昼すぎに能代(秋田県)のホテルにチェックインをしたとき、2度目の能代で暇を持て余していた。翌日の始発列車で深浦を経由して弘前に行く予定だった。どこに行こうか迷った末、明日行く予定の深浦に、今日行ってみようと思い、能代駅に行った。強風のため五能線の列車は止まっていた。深浦に行きたいと伝えた私にすぐにタクシーが用意された。翌朝に乗る始発列車は、深浦で次の列車の接続待ちのため狭い町を歩く時間が十分あることを知っていた。それに深浦にも行ったことはあったのだ。深浦ではなく別の場所たとえば八森に行くと言えばよかったのだが、もし八森が無人駅であった場合、能代への帰りの列車について誰にも何も聞けなくなる。五能線が動かなかった場合、帰りの交通手段を確保できない。それはまだインターネットのなかったときだ。タクシーは私1人のために走った。なんといっても五能線なのだから他の乗客はいない。能代・深浦間は60kmほどありタクシー料金は青春18きっぷ5日分の料金を上回った(と思う)。深浦を適当にぶらついた私は、夕方から動き始めた五能線で能代に帰ってきた。翌日は深浦での列車乗り替え時間を駅のベンチで過ごした。

 途中で雨は小降りになっていたが、タクシーが福島市内に入ったときに強く降り始めた。

P9100040.jpg

 14:30頃、タクシーは福島駅に着いた。

 福島駅は賑わっていた。山形新幹線は動いていなかった。他の列車は動いているようだが、全体として遅れが出ていた。東北本線の、どの電車がどの駅まで行くのかわからないが、目の前の東京方面に行く電車を乗り継ぐしかなかった。

P9100042.jpg

 青春18きっぷの規定のなかに今日の私に関連する項目が3つある。

 1.普通列車の自由席・快速列車の自由席のみ乗車できる
 2.列車の運行不能及び遅延による払い戻しはない
 3.翌日にまたがる列車にご乗車の場合は0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効である

 1について/つまり新幹線への代替輸送は期待できない
 2について/列車の運行不能及び遅延の場合の、払い戻しについては言及しているが、代替輸送についての記載はない。
 3について/規則では私の場合、川崎駅または新川崎駅を24:00前に発車する電車に乗った場合、横浜駅には9月11日に着いてもよいということである。それは東海道本線、横須賀線それぞれの最終電車ではない。

 列車の運行不能及び遅延になった場合の、代替輸送あるいは明日になってからの切符の使用についての記載がない。しかしJR東日本も客商売である。それなりに融通は効かせてくれるだろう。

 どこかの駅で泊まるということになるかもしれないが、ここは日本である。なんとでもなる。

 福島駅で15:04発の郡山行きに乗った。

 郡山駅で16:27発の黒磯行きに乗った。磐越西線は終日運転を取り止めていた。

 黒磯駅では数分の待ち時間で宇都宮行きが発車した。
 
 宇都宮18:41発の上野行きは大勢の人がホームに並んで待っていたにもかかわらず、発車10分前になって運休が決まった。5番線から大宮止まりの湘南新宿ラインが発車することになり、乗客は全員移動した。18:50、新宿にも湘南にも行けない、大宮止まりの湘南新宿ラインが発車した。小金井駅辺りでは速度を落として運転するというアナウンスが入った。大雨特別警報地域を通過している。

 大宮駅で20分ほど待ち、上野・東京ラインに乗ることができた。電車は速度を緩めることなく走っていた。

 横浜駅に着いた。2015年9月10日22:40が、私の2015年夏の青春18きっぷが終わった日時であるが、私の旅はもう一列車分残っていた。乗り替えのため、相模鉄道横浜駅に向かった。

                                                                            終了
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。